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それから何日もせず、すっかり夏南は有名人になった。
絶世の美女を一目見ようと、休み時間にはたくさんの生徒が押し掛けて、
写真やサインまで求められる始末。
彼女はそれに笑顔で応対していた。
「…嫌じゃないの?」
ある日の昼休み、私はお弁当を食べながら夏南に尋ねた。
人だかりができた廊下を睨みながら。
「…ぜんぜん。あっちでもこんなんやったし、慣れた」
「へー……雑誌とか出てみたらいいのに。スカウトとかされるでしょ?」
「…ま、そのうちね」
出ました!意味深発言。
「…そのうち?」
「そう、そのうち。梨花には話さなきゃならんこと、いっぱいあるから」
気になる……
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