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「っ…勝手なっ…」
相手に直接言えない文句を携帯にぶつけていると。
「勝手はいつもの事だろ」
「Σぅわっ!夏にっ……」
後ろから突然肩を叩かれ、驚いて振り返った秋輝の目に、さらに衝撃的な光景が映った。
夏輝は固まった秋輝を見て、きょとん顔。
「どうした?」
「っどうしたじゃないよ!頭っ…何やってんのっ!」
昨日までダークブラウンだった髪が、見事なまでなハイトーンカラー。
「あぁコレなー、昨夜ブリーチしてる間にうたた寝しちゃって…で、この結果☆」
「この結果☆じゃないからっ!何その能天気なノリっ!また僕が先生に泣き付かれちゃうじゃんっ!」
「まぁまぁ、秋輝が怒られるワケじゃないんだし」
「そーゆー問題じゃっ…」
「それに思いの外、良い具合に色抜けて気に入ってんだよな」
「…もぉいいよ…」
秋輝の心配を余所に、当の本人はご満悦。
その様子に呆れて言葉が出なくなった秋輝は、ガックリと肩を落とした。
「で。何で此処にいるの?階段下りる音聞こえたけど」
「コレ。どーせまた頼まれただろ?」
言いながら夏輝は、1人分の食事が乗ったトレーを差し出した。
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