鉱山の街 オーレ

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    「まさか先に請けてたのがお前だったとはな……」     溜息を吐き、セフィラを垣間見ながらライズは言った。 毛嫌いしている……というわけではなさそうだが、その顔はどこか引き攣っている。     「あら、いいじゃない。 久しぶりの再会でタッグを組めるなんて……これを運命と言わずなんと言うの?!」 偶然、と演技がかった口調で喋るセフィラを軽くあしらった。 「大体、俺はまだ請けるとは言ってはいない。まずは内容を聞かせろ」 「おぉすまん! そういえば説明してなかったな。依頼内容はある“物”の討伐だ」 不可思議な言葉に思わずはてな顔を浮かべるライズ。 それを考慮し、セフィラが解説を始めた。 「姿がちゃんと確認されてないのよ。そいつが居るのは鉱山の奥深くでね。松明で照らせれば見えるんでしょうけど……鉱山の奥からはガスが出ていて引火してしまう恐れがあるんだって。可燃性なら――……」 と、震える真似をし、若干大袈裟に話すセフィラ。 ライズには軽く見流されていたが。 「鉱夫の話では人型の機械だという噂が出ててな。恐らくゴーレムか何かだとは思うんだが……」     「……要するにそいつのせいで仕事にならないってわけか」 「そゆこと! 報酬は2100G、鉱山だし鉱石が採れるかもしれないわよ。どう? 請ける、それとも降りる?」     選択肢を挙げ、様子を伺いながらセフィラが問うた。 暫く黙り込んでいたライズであったが、結論を出したのか、顔を上げて口を開く。 「まぁ、他に依頼も無いしな。……請けてやるよ」 討伐にしては低い依頼料。 だが、マスターからの依頼ということもあり、間があったものの、ライズは潔く依頼を引き受けた。 「よっし、商談成立! じゃあ情報料ってことで150Gよろしくね」   「ッ?! ……ねちねち奪いやがって。これだからお前は嫌なんだ……」     金が好きなのか、いつもちまちまライズや依頼人から金を貰っているようで。 先程の護衛でライズも吊り上げしていたのだが、今は棚の上のよう。   渋々支払い、再びうなだれているが、鼻唄混じりの彼女の目には映らないようであった。
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