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「もしかして……吹き飛ばしたガスが動力だったの?」
「あれはただのガスじゃないよぉ。魔力を帯びた蒸気のようなものだって」
「じゃあ、これでもう……」
だが安心したのもつかの間、再びゴーレムの節々からじわじわガスが漏れ出し始めたではないか。
ガスの量が増えるのに比例しゴーレムも少しずつ動きが戻ってきている。
「ちょ……っ!
これじゃ意味ないじゃない?!」
「やはり吹き飛ばすだけでは駄目だな。仕方ない……」
戸惑うセフィラ。だがそれとは反対に、ライズは冷静を保ち状況を眺めている。
だが次の瞬間、剣を引き抜き動きの鈍ったゴーレムへ走り出した。
深まる魔力と渦巻く冷気をその身へ纏い、一直線に駆け抜ける。
「この身に眠る氷の魔力よ。
刃に宿り我が敵を氷結させん!
“フロス レイディアント”!!」
詞に呼応し、剣が蒼い光に包まれた。それを勢いに乗せ、一閃の突きをゴーレムの関節へ食い込ませる。
途端、攻撃部位から冷気が噴き出し、内部からゴーレムの身体を凍らせた。
極度の冷気により、噴き出していたガスすら凍てつき地へ落ちてゆく。
全身を凍り付けにされ、ゴーレムはようやくその機能を停止した。
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