嘘か真か―…

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祝杯を挙げ、酒を煽るライズとセフィラ。隣ではカーティスが鳥の丸焼きに噛り付いている。   マスターはというと、仕事があるのか忙しなく注文された料理や酒を作っているようだ。     「ライズ~! このオレンジジュースぽわぽわするぅ~」     「……それはカシスオレンジだ」 ふらふらとグラスを掲げるカーティス。 興味本位で手をつけたのだろうが既にほろ酔い状態になっている。酒を飲む竜も珍しい。     「さて、そろそろ話して貰いましょうか? あの珠のこと」     手にしたジョッキの中身を飲み干し、セフィラが問い掛けてきた。   ライズはまだ若干躊躇していたようだが、詰め寄る視線に圧され、仕方無しにと重い口を押し上げた。     「……北の果てに在る山の頂上に一匹の竜が住んでいた。 強い力を持っていたが、その力を周囲にかざすことなく、平穏に生きていたという――」     おもむろに語りだすライズ。 その表情はどこか暗く、これからの話を案じているかのよう。   いきなり何の話を……、とも思うセフィラであったが、口を挟むのにも気が引けたのだろう。 一先ず言葉を飲み込み、彼の話を聞くことにしたようだ。
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