第1章―無関心教師―

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ガラっ 紫苑は職員室の中へ入ると他の先生からの冷ややかな視線を感じた しかしそんなことは全く意識しない・・・いや無関心の紫苑はそんな視線を気にせず自分のデスクへ着いた もちろん紫苑が他の先生達に敵視されているのは理由があった・・・・ さっきも言った通り紫苑が生徒に関して無関心であるし生徒が何をしようとも注意もしない・・・・その上自分も校則を破っていることもありただでさえ疎まれている 本当はこんな教師を学校側は好き好んで雇う訳もないのだが、生徒会長の狼詠 朱刃琉からの要望と他の生徒からの強い要望によりしぶしぶ雇っている状況である そんな紫苑を職員室の先生方はあまりよく思っていないのは明白だった 「神乃木先生!!」 紫苑がデスクに座るとヒステリックに叫ぶ女教師が近づいてきた 「・・・・なんでしょうか?」 紫苑は内心のうっとうしさを隠すことなく女教師に顔を向けた 「神乃木先生のクラスで不登校児出てるのは知っていますよね!!」 「(そうだっけな・・・)はぁ・・・・」 紫苑は適当に返事を返した 「いい加減に家庭訪問に行って登校してもらってください!!」 女教師は紫苑の返事を聞くこともなく去って行った 「はぁ・・・・(研究室行くか)」 紫苑は深いため息を吐きながらデスクから立ち上がった 「神乃木先生!!」 紫苑がデスクから立ち上がると男教師が声をかけてきた 「何か?」 「また研究室に行くんですか?」 「はい・・・(こいつ誰だっけ?)」 無関心の紫苑は名前を覚えるのが壊滅的に悪かった 朱刃琉や魅禄のことでさえやっと2年かけて覚えたところである 「じゃあ良かったらこれ研究室で食べてください」 「ありがとうございます・・・・(本当にこいつ誰だっけ?)」 男子教師はにこにこしながら紙袋を渡して来た 紫苑は男から紙袋を受け取ると職員室から出て行った 「(1つ言えることはあぁいう類の笑顔は信用ならないってことだけだな・・・)」 紫苑は紙袋の中身を確認することなく研究室へ行く途中のごみ箱に躊躇なく捨てた・・・・ 紫苑が去って数分後そのゴミ箱からは原因不明の出火があり学校は騒がしくなった・・・・ そのあと犯人探しがあり、一部始終を目撃していた生徒によってその男教師は逮捕された・・・・
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