オオカミ男

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   ―――――――――。  その日の夜は調度、満月であった。  とある暗い道を歩いている女性が一人。  彼女は一般のOLで、仕事に熱心なキャリアウーマン。  今は残業を終えて帰宅中なのである。  時刻はもう九時過ぎ。 (早く帰らなくちゃ)  彼女はそう思い、足を早めた。 「…………、ッ!?」  彼女は咄嗟に足を止めた。  突然、前の角から人影が出てきたからだ。  その人影は、緑のニット帽にサングラス、そしてマスクを顔に、黒いジャンパーとズボンを身体に身につけていた。体格からして男。  そして右手には……ナイフ。 「!!」  女性は、人影の正体が、変質者であることを悟った。  彼女は咄嗟に踵を返し、走り出した。  
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