その先で。

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「ありがとう…たー…」 ツと視線をそらす。 今、ありがとうの後…聞こえづらかったけれど、確かに言ったよな? 「政宗…今、俺のー…」 「早く行って、後ろの二人にまた襲われる」 確かに背後からは二人の視線が不満そうに刺さってきているけど…でもどうしても確かめたかった。 「行けって。アンタのことだ、また連絡してくれるんだろ?」 「そりゃするけど…」 「じゃあ行って。またな、保」 「政宗…!!」 はじめて名前で…俺の聞き間違いじゃないよな? 今確かに名前を呼んだ!! 俺はそれが嬉しくて、政宗に満面の笑みを向ける。 すると照れくさいのか政宗は、俺の視線から逃れるように身をよじった。 かすかに頬が赤い。
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