過去は過去でしかない。

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一緒に始めた空手。双子は空手が体に合っていたらしく、メキメキと頭角を現した。   「今は僕達が保っちゃんを助けられるね!」   嬉しそうに言う葵。双子の実力は今では県で一・二番、全国でも上位を争うまでになっていた。 しかし、俺はちっとも嬉しくねぇ!!   「男が男に守られてたら情けねぇだろ!!」   「え~この前は変態親父から助けてあげたじゃん」   「藤、テメェ…」   思わず言葉に詰まる。 そうなのだ。一緒に始めたからといって、俺までそんな実力があるわけではない。せいぜい県大会を何戦か勝ち上がれる程度…。 自分で言ってて悲しくなるぞ、さすがに…。 そして、この前の事件…酒に酔っ払ったオッサンが、俺に絡んできたのだ。 もちろん、抵抗した。しかし、いかんせん体格差だけはどうにもならなかった。 完璧押さえつけられてしまった俺を、たまたま通りかかった双子が助けてくれたのだ。
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