滴る水はどこに落ちる?

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「…帰るぞ藤、葵」   気づいたら、口からそんな言葉が滑り落ちる。   「ほら、傘…って、もう必要ねぇな」   傘をさしている俺すらも濡れてるし。   「いつまでそうしてるつもりだ?ほら、帰るっていってんだろ!」   突っ立っている二人の腕を引っ張る。 …が、ビクともしない。 体格差か?なんかムカつくぞ…。   「ったく!なんなんだよ?もう怒ってねぇから!な?」   二人の顔を覗き込む。   『保っちゃ~ん!!』   「のわぁ!?」   突然二人が俺に抱きつく。思わず俺も、変な声を出してしまった。
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