雨降って地固まらず

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俺は小さくため息をつく。 …とりあえず、苦しくなってきたからどいて欲しい。 体重70キロ近いおもりが二つ乗っているのだから当然だ。   「重い…どけって」   「あ、ごめんねっ!」   二人が俺の上からどく。 その瞬間、解放感。しかし、ホッとしたのもつかぬ間、葵に起こさせられ座らされる。 そして、前からは藤、後ろからは葵に抱きしめられる形になってしまった。 さらに驚いたことに、二人はなぜかスボンしか履いておらず、上半身は裸だった。   「なんで服着てないんだよっ!?」   「だって凍えてる時は、裸で暖めあうでしょ?」   後ろから抱きついている葵も、楽しそうに頷く。   「アホか!ここは雪山じゃねぇっ!!」   俺のツッコミをサラリと聞き流すと、葵がとんでもない事を言い放った。
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