その先で。

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「そんなに俺のキスにこだわるなら…お、俺がしてやるっ!!」 だからいい加減離れろ!!と俺は言った。 言ったとたん、だった。 俺だけの幻だろうか、二人の頭と尻から耳と尻尾が生えているように見えたのは。 ぴくんと耳をたて、フサフサの尻尾はパタパタと激しく振れている…ように見えたが、気のせいだ。 …こいつらの前世、犬決定!! 『…本当?』 二人は唇を政宗から離し、俺をみる。 その目はキラキラと輝き、なんの疑いも疑惑も混じらない純真なものだった。 「うっ…」 分かっていたけどそんなまっすぐに見られると、良心が痛むんだけど…。 『…して、くれないの?』 瞳が潤む。 な、泣き落とし…。 俺はお前達のその目に弱いんだってば!! 「…や、約束する…」 そして陥落。 俺の政宗から引き離す策そのものは成功したものの、なんなんだこの敗北感は!?
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