1.『ゲームサイト』

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あれは、冷たい筈の風が妙に心地よかった日の出来事だった。 その時から、俺の生活は変わったんだ。 《東戸仲(ひがしとなか)高等学校》 通称、《仲校》 「暇……」 俺、《古葉 九御(ふるは くお)》が日々、同じような毎日を過ごす普通の公立高校。 「はぁ……」 俺は、こんな退屈な毎日が嫌いだ。 毎日毎日……同じような事ばかり。そんな日々ならいっそ壊れてしまえ、とさえ思う。 「いいですか、ここは……」 六限目。この日最後の授業、国語。 少量の白髪が目立つ中年、《黒根(くろね)》が授業を受け持つ。 黒根は気が弱く、教室内で黒根の話を聞いている生徒は数名しかいない。 中には伏せて寝る者、ノートに落書きをする者、携帯をつついている者……。 俺もそれに混じり、顔を伏せて寝る。 だが黒根は注意をする事無く、授業を進める。 気付いていないのでは無い。注意をする事で起きる面倒事を回避する為だ。
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