枯れはてた涙

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いつの間にか、 アナタの心は私には無くて それに比例するかのように、私の気持ちもいつの間にか冷めていた そうして二人の間は冷えきっていったの。 寝室はまだ辛うじて同じ部屋だったけれど、愛し合うなんていつからしていないのだろうか? 思い出せない位昔って事しか、分からない。 勿論あの人だって男なのだから欲求は溜まるわけで、その欲求をどうしてるかなんて、明々白々。 最初の頃は哀しかったり悔しかったり、それなりに愛してる故の感情はあったのだけれど、今では感じる事は何にも無くなった あの人があからさまに香水の匂いを漂わせていたって、跡を付けて帰って来たってちっとも気になんてならなくて 自分でも不思議に思うくらいに無関心になっていた そうなってくると、一緒にいたって会話何て全く無くて、必要最低限の言葉すら交わさなくて、 笑いあう何て夢のまた夢。 そんな私たちをどうにかしようとしてくれる、新八や神楽が可哀想で申し訳なく思うけれど、今更どうしようも出来ない。 あぁ、情けない。 どうしてなんだろう。 いつの間にこんなにすれ違って行ったんだろうか? 分からない。分からない。 分からな過ぎて涙がでてくる。 なんてのも、もう昔の話。 喧嘩ばかりだった頃に、涙は全て使い果たしてしまった。 もう今では雀の涙ほども出ないわ それでも、女々しく考えてしまうのは理由。こうなってしまった原因。 私が悪いの? アナタが悪いの? それとも環境? 確かに家は貧乏だった。 依頼も滅多に来なくて、 来ても微々たる報酬で、 そんな中でも皆で仲良くやってこれてたのはずなに……… そう思ってたのは、私だけだったのかな? 今も何処かで遊んで居るのだろうあの人は家に居なくて、 神楽は随分前から新八の家に泊りに行っている。多分、この状況に耐えきれなくなったんだろう。 そして私の目の前にあるのは、もう私の名前を記入するだけになった離婚届け。 あぁ、これが惰性化してきた二人の関係へのアナタの答えね…… 枯れはてた涙 (それは自己防衛の結果で) 今、目から溢れてくるものが 本当の私の気持ちなのかしら END...
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