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「イチ、早く」
腕を掴んでる力が強くなった気がする。
頭に疑問符を浮かべてる俺を無理矢理引っ張ってズンズン歩いて行く。
「あーあ。どうやら陽ちゃんは真くんに嫌われちゃったねえ~」
ニヤニヤと意地悪そうに言う瞬の声と
「にゃ、にゃに~!?
俺が何したんだァ!!?」
陽の叫び声が聞こえた。
『ま、まこっちゃん!
まこっちゃんてば!!』
しっかり俺の腕を掴んで進んで行くまこっちゃんは、目的地に着いたのかドアを開けて、俺をぶん投げた。
やべえかも…
俺気付かねえ間に地雷踏んでる?
まこっちゃんはいつもは犬みたいに懐っこくて、でも面倒見がいい。
ただ、不機嫌になったまこっちゃんは、手のつけようがねえってくらいに、意地っ張りで頑固で負けず嫌いで、その上すげえ冷たい目で見てんくだもんな。
何も言わなくても、あんたなんて嫌いだよ~って感じでさ。
『…し…しんー?』
こういう時は名前で呼ぶ。
真剣な時にふざけられる程、俺は馬鹿じゃないって。
「仲良くなるのは良いと思うよ?
でもさー、俺言ったよな?」
『お、覚えてるよっ!』
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