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『お前…泣いてんのか?』
「な、泣く訳ないじゃん…っ」
なんでそー変な所で意地っ張りなんだよ。
クスッと笑うと真の頭を撫でてやる。
なんか昔から変わんねえよな、俺達。
ガキの頃からずっとこんなんだった。
「さ……ぃよ」
『ん?』
「寂し…いよぉっ」
甘えたような上目遣いにギクリとした。
…ドキッとしたって方が正しいか?
『バカ、俺も寂しいけどさ、一生の別れじゃねえんだし、部屋では会えんだし、休み時間だって会えんだろ?』
寮長って言ったって、生徒会よりは忙しくねえだろ?なんて付け加えて、ゆっくり頭を撫でてやると、涙を溜めた目で見てくる。
うわ、やべっ今ちょっと可愛いとか思っちまったじゃん!
何考えてんだよ俺!?
『お、俺は親友だぜぇ~?
真を見捨ててどっか行ったりしねえよ』
悟られないように、明るくふざけた感じで言ったものの、一瞬真の顔が曇ったように見えた。
月明かりの中で喋ってるから、光の加減か?
「…」
『~~っ!?』
いきなり視界が変わった。
さっきまで俺の胸の中にいた真が、俺の上にいる。
『ちょっと、何にしてーー』
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