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『…本当は違う』
「え?違うの?」
「ジャンピングじゃねえの?」
「ちょっとの間陽ちゃんは黙ってようね」
瞬に言われてショボンと小さくなった陽が面白い!
絶対これ拗ねてんじゃん。
唇尖らせて、体育座りしちゃって。
「何があったの?
一応生徒会でも問題になってるんだ」
『よく分かんねえ』
俺が余計に変な奴と思われないように、慎重に言葉を選ぶ。
周りの奴、チラチラ見てんなよ。
『記憶がないんだよ…』
だから寝惚けてたと言われても、間違えだとは言いにくい。
だけど、俺寝てるつもりなんて全然なかったんだぜ?
そもそも屋上に行った事なんて、殆どねえのにさ。
「話じゃ、フェンスが壊れてる所から半分体が出てたって聞いたけど…」
『うん。その状態で寝てたんじゃなくて、気失ってたんだよ』
どこでも寝れるからって、わざわざ誰がそんな危ない場所選ぶかっての。
寝るんだったら、保健室の柚希ちゃんの所に行くしさ。
あれ…。そういやあの日…。
『~~っ!!』
「どうしたの!?」
「んなっ!?大丈夫かァ!!?」
頭痛ぇ。
昔の事とか思い出そうとしたりすると、この現象はよくなるけど、なんだよ。これも思い出すなってか?
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