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『さあて…どうすっかなぁ』
確かに気になる。
柚希ちゃんの所行く気満々だったけど、なんとなく引っ掛かる感じが気持ち悪いし。
あれから一回も屋上行ってねえし、行ってみるかな。
証拠は現場にあるって言うし?
階段を昇って、屋上に繋がるドアを開けると、ブワッと強い風が吹いた。
至って平凡な屋上だ。
俺はキョロキョロと辺りを見回す。
あ!あった。
ロープで囲んで、立ち入り禁止の札が掛かってる一角。
俺が落ちかけた場所…。
立ち入り禁止の脇の所からフェンス越しに下を見やる。
うわぁ。これ落ちてたら絶対ヤバいだろ。
今となっちゃ、落ちてない俺の方が不思議だって。
細かい注意を払いながら、隅々まで見てみたが、証拠となるような物は何一つなかった。
…やっぱり俺……自分から此処に?
それが一番信じやすいよなぁ。
俺らしいっつーか…。
壁に寄り掛かりながら盛大な溜め息を吐いていると、俺の隣に上から何かが降って来た。
ビクッとしながらそちらを見れば、それは人だった。
え?つーか、上って給水塔くらいしかなくね?あんな所から飛んで来たのか?
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