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「うっせぇよ」
わざと耳に息が掛かるように喋んじゃねぇーっ!しかも低音で!
『やめろって!マジでふざけんな!!』
「んなにオレが嫌ぇ?」
『たった今からそうなりました!』
コクコクと首を縦に振ってみる。
ニヤニヤと愉しそうに笑う宮野の顔は、普段の顔よりも、格好良さもヤバさも三割増しってくらいだ。
いや!そんな事考えてる場合じゃねえっての!!
そんなのお構いなしなのか、宮野の顔が接近して来る。
……あ、駄目だ。
嫌だ。嫌だっ。ふざけんなーっっ!!
「はーい、そこまでー」
「てめぇ…っ」
宮野の首根っこを掴んで、俺から引き剥がしてくれたのは
「僕がいる所でするなら、ちゃ~んと許可貰ってね?」
ニコニコ顔だが、声色が怒ってる瞬だ。
…よかったぁー。助かった。
宮野は思いっきり舌打ちして、消えて行った。
「…大丈夫?イチくん!?」
へにゃへにゃとその場に崩れ落ちた俺に、慌てて駆け寄って支えてくれる。
よく分かんねえけど、本当にヤバかった。
こ、恐…かった……?
力が抜けた身体がガタガタと震え始める。
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