killer...5

8/8
前へ
/194ページ
次へ
保健室のドアを開ければ、机に向かって資料を読んでる柚希ちゃんがいた。 『柚希ちゃーん…』 「はい?あっ、七瀬くん ……何かありましたか? 顔色がちょっと悪いようにも見えますが」 さっすが保健医! 色々察してくれるけど、詮索したり、突っ込んだ事訊いて来ないから居心地良いんだよな!! 『湿布かなんかある? 取りあえず隠したいんだよ』 柚希ちゃんの前に手を出すと、苦笑を浮かべたまま、棚から湿布と包帯を出して、俺の手首についた手形を隠してくれる。 「こんなに痕がついて。 …痛かったでしょう?」 『柚希ちゃんに治療して貰えれば一発で治るって!』 クスッと嬉しそうに笑う柚希ちゃん。 本当になんかそんな感じすんだよ! 「明日になれば治っているとは思いますけど…心配なら夜、私の部屋に来て下さいね?」 『サンキュー!あんま痛くねえし、本当に隠したいだけっ』 「確かにその痕はあまり人に見られたくありませんね…」 『見られたくないってより、見せたくない…かな』 見たらきっと、まこっちゃんは自分を責めそうだし。 俺が傍にいたら…とか。 うわぁ~言いそうっ。 やっぱりバレたくねえや。 「七瀬くん、お茶飲みますか? 今日はいちご大福なんですよ」 『マジ?やっりぃ♪』 この和む感じやっぱ好きだなぁ!! 甘い物あんま食わねえけど、柚希ちゃんがくれるなら、なんでも食いたくなっちまう!  
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

438人が本棚に入れています
本棚に追加