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保健室のドアを開ければ、机に向かって資料を読んでる柚希ちゃんがいた。
『柚希ちゃーん…』
「はい?あっ、七瀬くん
……何かありましたか?
顔色がちょっと悪いようにも見えますが」
さっすが保健医!
色々察してくれるけど、詮索したり、突っ込んだ事訊いて来ないから居心地良いんだよな!!
『湿布かなんかある?
取りあえず隠したいんだよ』
柚希ちゃんの前に手を出すと、苦笑を浮かべたまま、棚から湿布と包帯を出して、俺の手首についた手形を隠してくれる。
「こんなに痕がついて。
…痛かったでしょう?」
『柚希ちゃんに治療して貰えれば一発で治るって!』
クスッと嬉しそうに笑う柚希ちゃん。
本当になんかそんな感じすんだよ!
「明日になれば治っているとは思いますけど…心配なら夜、私の部屋に来て下さいね?」
『サンキュー!あんま痛くねえし、本当に隠したいだけっ』
「確かにその痕はあまり人に見られたくありませんね…」
『見られたくないってより、見せたくない…かな』
見たらきっと、まこっちゃんは自分を責めそうだし。
俺が傍にいたら…とか。
うわぁ~言いそうっ。
やっぱりバレたくねえや。
「七瀬くん、お茶飲みますか?
今日はいちご大福なんですよ」
『マジ?やっりぃ♪』
この和む感じやっぱ好きだなぁ!!
甘い物あんま食わねえけど、柚希ちゃんがくれるなら、なんでも食いたくなっちまう!
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