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「…そろそろ起きなさい」
俺は今肩に手を置かれて体を揺らされているみたいだね。
揺らしてるのは多分この声の人だろう。
その前に色々思うところはあるんだけど…。
「あんたさっきの声の人でしょ?」
「…ああ、そうだ。
しかし君は最初から意識はあったのかね?」
「俺、寝てなんか無いっすよ?
それよりも目を開けても良いですか?」
「その目を閉じたのは君だろう、好きにすれば良い。
開けても閉じていても構わないが、ここの光が少し眩しく感じるかもしれんがね…」
確かにさっきから目を閉じているけど光を感じる。
まぶたの裏が真っ白だもん。
それに背中にも何か当たっているのも感じられるし、さっき無くなった感覚は戻ったんだろうね。
目を開けてみると、光源が見当たらないのに蛍光灯のような白い光が目を刺すようで痛い…。
「今から君に伝えなければいけない事がいくつかある。
その前に落ち着いてもらわなければならないのだがね」
目が光に慣れてきて、声のする方を見てみると、大人の男性がこちらを見ながら直立している。
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