ラクト・ガール～Story of Marisa～

Act １

魔理沙は神社の鳥居のような大きな門を開けた。

その中を数メートル進み、小さなドアの前に立った。

相当疲れている様子で、肩で息をしている。

魔理沙はそのドアを開けようとするが、ドアノブが回ってくれない。力任せに押したりするが、結果は同じだ。

またか…と、呆れたような顔をする。これで何度目だろうか、彼女が回らないドアノブをひねるのは。

開かないドアを何回か、握りこぶしで叩く。ようやく中から声が聞こえた。中にいる者が返事をしてくれたようだ。

「きょうはなんのようなの」

『予想通り』『案の定』とは、まさにこういう時に使う言葉だ。
お決まりの言葉が扉越しに聞こえてくる。