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―帰り道。
ちゃんとした友達は出来ず、一人で帰宅中のXANXUS。
まだあの時の苛立ちは残っていた。
「お母さ~ん…。」
子供の泣き声が聞こえてきた。 XANXUSが声のする方を見ると、4才くらいの男の子がしゃがみ込んでいた。 多分、母親とはぐれたのだろう。
無視して通り過ぎようとしたが、あまりに大きな泣き声だったので、その男の子のもとへ来てしまった。
「あーもううっせえ!なんで自分で親探そうとしねーんだ!」
「…え?」
「え?じゃねえ!探すの手伝うからギャーギャー泣くんじゃねえ!!」
「…ホントに?」
「!」
はっとして口を抑える。
知らない間に「探すのを手伝う」と言ってしまっていたのに気が付いたものの、前言撤回するには遅すぎた。
「本当に…!?」
男の子は目を輝かせながら言った。
「・・・・・・。」
選択の余地は、なかった。
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