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アーサーは15歳の少年である。金の髪に青い瞳をしていて、ひょろひょろとした体つきをしている。
アーサーの父は、アーサーが生まれる前に死んだらしい。母の行方は誰も知らない。生まれてすぐに、小領主であるベクトールに預けられ今日まで育った。
預けられて育ったとは言っても、半ば犬猫、または馬車馬のような扱いであった。どうやらベクトールはアーサーの両親を昔から酷く嫌っているようであった。
アーサーを嫌っているのはベクトールだけではなかった。村の子供たちも、彼のことを捨て子と馬鹿にしていた。
アーサーは事あるごとにいじめられた。ある時は落とし穴をかけられ、またある時はズボンの中に蛇を入れられ、とにかく散々ないじめられようであった。
それでも彼が村の子供たちについて行くのは、ベクトールの元にいるよりはましだったからである。
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