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そんなある時、アーサーたちは村のはずれの小さな山へ遊びに行った。遊びに行くと言っても、村の子供たちはアーサーをからかう為に彼を誘ったのだが、彼はそれでも嬉しかったのでついて行くことにしたのであった。
「アーサー、捨て子のお前でもこれが何だか知ってるよな?」
山の頂上で、仲間内で一番体の大きな少年、ダグが言った。
それは、岩に突き刺さった剣であった。アーサーはあまり山に来たことがないので、それが何なのかわからなかった。アーサーは首を横に振った。
「君こんなことも知らないの?時代遅れだな!」
ダグとは対照的に、体が小さく細いイーノスが笑った。
「これを引き抜いた奴はこの国の王になるんだとよ!誰か抜いてみろよ!」
ダグがそう言うと、周りの皆が一斉に手を上げた。アーサーも小さく手を上げる。
「アーサー、君には無理だよ!君には鍬がお似合いだろ!」
イーノスの一言で皆が笑った。アーサーはしょんぼりと手を下ろした。
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