伝説の剣

4/5
前へ
/7ページ
次へ
「お前ら、順番に並んで引き抜いてみろ!ほら、並んだ並んだ!」 皆、剣の前で一直線に並んだ。前をちらちらと見て、自分の番を今か今かと待っている。 「くっそー、固くて全然抜けないや」 「これ、本当に抜けるのか?」 子供たちは、力を入れすぎて赤くなった手を揉みながら、悔しそうに次々と列から外れていった。 「はは!誰も抜けなかったみたいだな!」 ダグとアーサーを除く全員が剣との力試しを終えた時、ダグが笑った。 「あれ?そう言えばダグだけやってないな」 イーノスが不思議そうに言った。他の子供たちも頭を傾げる。わがままなダグなら、いの一番に剣に飛びつきそうなのに。 「ふっふっふ……焦らずとも、この剣は俺様が抜くのだから、お前らには抜けないってこった。ブリテンの王が誕生する瞬間を見せてやらあ!」 そう叫んで、ダグは柄に手をかけ引き抜こうとした。しかし、いくら力自慢のダグであっても、剣はびくともしなかった。 やがてダグは諦めて、悔しそうに背を向けた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加