伝説の剣

5/5
前へ
/7ページ
次へ
誰も抜けないことを知り、皆その場を去り始める。その時、剣の柄に手をかける者がいた。アーサーだった。 「はん、やめとけやめとけ!俺様でも抜けなかったんだ、お前なんかじゃ100年かかっても抜けっこねえよ!」 「そうだそうだ、君なんかに抜かされたらたまったもんじゃない!君が恥をかくだけだぜ」 ダグやイーノスを筆頭とする周りの野次をよそに、アーサーは両手で剣をゆっくり引き始めた。確かな手応え。次の瞬間、神々しい光が剣から溢れ出した。まるで、アーサーの手を包み込むように絶え間なく。 「ま、まぶしい……」 皆、たまらず手で目を覆った。アーサーだけがただ一人、引き抜かれていく剣をじっと見つめていた。 やがて光が収まり、アーサーがどうなったのか、皆恐る恐る目を開いた。 アーサーは両手で剣を持ったまま、動こうともしない。アーサーを見、剣を見、皆暫く唖然とした。何故ならば。 剣が可愛らしいピンク色をしていたから。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加