(2) 凶器

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 同年、狩猟免許を取得して津山で2連発猟銃を購入。翌1938年にはそれを神戸で下取りに出し猛獣用の12番口径5連発ブローニング猟銃を購入。  毎日山にこもって射撃練習に励むようになり、毎夜猟銃を手に村を徘徊して近隣の人間に不安を与えるに至った一説には、最初に猟銃を購入したのは、関係を求める際に相手の女性に拒ませないためで、村人を襲撃することを念頭においてのものではなかったとされている。  また、徴兵されなかった都井へ対して村人の迫害があり、護身のために銃を所持したとの見方もある。都井はこの頃から犯行準備のため、自宅や土地を担保に借金をしていた。  しかし祖母が、都井が祖母の病気治療目的で味噌汁に薬を入れているところを目撃して「孫に毒殺される」と大騒ぎして警察に訴えたため家宅捜索を受け、猟銃一式の他、日本刀・短刀・匕首などを押収され、猟銃免許も取り消された。  都井はこの一件により凶器類をすべて失ったが、知人を通じて猟銃や弾薬を購入したり、刀剣愛好家から日本刀を譲り受けるなどの方法により、再び凶器類を揃え、犯行準備を進めていった。  そして、以前懇意にしていたもののその後都井の元から去り、他の村へ嫁いだ女性が村に里帰りしてきた1938年5月21日の深夜、犯行が行われた。
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