5786人が本棚に入れています
本棚に追加
春の日差しが差し込む中、俺は目を覚ました。
もちろん瞬は俺の横でスヤスヤと眠っている。
瞬を起こさないようにベットから抜け出た。
一服した後、俺は朝食と弁当作りを始める。
実を言うと、育巳との話し合いと平行しながら、四歳になった瞬を幼稚園に入学させる話が森西弁護士から持ち出されていた。
瞬が入園する園も手続き等も森西弁護士と話し合い、ようやく通える幼稚園を見つけたのである。
俺と森西弁護士は瞬の事を考えて、事務所近くのそれも少人数の幼稚園を探した。
(そろそろかな…)
瞬を起こすために寝室に戻ると、
「……あっ」
「起きてたの?おはよう」
「…はーよう」
抱き起こしてやると、すぐに抱き付いてくる。
「どうした?」
「…たくみ」
「はいよ。幼稚園に行こうね」
そう言うと、瞬は泣き顔になった。
「なんでそんな顔するの?」
「…いや」
「何が嫌なの?幼稚園が嫌なの?」
「…いや」
そう言いながら、腕に力を込めてくる。
俺は瞬が泣き出さないように背中を優しくさすった。
そのまま抱っこしてリビングに戻りソファーに座る。
すると瞬は、俺の顔をジーッと見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!