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自宅に帰り夕食を済ませた後、俺はのんびりと風呂に入る。
のんびり入れたのは、瞬が唯斗と一緒に入った為だ。
風呂から上がってリビングに向かうと、瞬は唯斗の腕の中でスヤスヤと眠っていた。
食事をしている時から眠かけをしていたので、ベットに行くまで我慢出来なかったのだろう。
「重いだろう」
「大丈夫です」
唯斗に瞬を任せて、俺はキッチンに向かった。
煙草に火をつけて、リビングに居る二人を見る。
唯斗は優しい表情で、瞬の頭を撫でていた。
それから一服を終えた俺は、ペットボトルを手にリビングに戻る。
俺がソファーに座ったのを確認した唯斗は、
「あの…」
「うん?」
「その…僕は足手まといではありませんか?」
「大丈夫って言っただろう?」
「でも…仕事は遅いし…以前の僕とは違うのでしょう?」
確かに以前の唯斗と比べてしまえば違うのだが、俺は今の唯斗に同じ事を求めてはいない。
日常生活をさせて、少しでも記憶を取り戻すきっかけになればと思っていた。
「仕事は苦痛か?」
「いえ。そんな事はありません…」
「なら、そんな風に考えたりするな」
俺は静かに、唯斗の頭に手を置いた。
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