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「れい」
「うん?何だ?」
瞬が玲の頭を撫でようとすると、
「俺は大丈夫だ」
「だーじょうぶ?」
「あぁ」
そう言った後、玲が瞬の頭を撫でてくれた。
「どうぞ」
克季がおかわりの珈琲を運んでくると、
「克季はチビちゃんの事抱っこした事あるのか?」
「えっ?」
玲に言われると、克季は罰悪そうな顔を見せた。
「何だ?抱っこした事ねぇーのか?」
「ありますよ。一度だけですけど…」
確かにほんの一瞬ではあったが、抱っこはしてくれている。
「チビちゃんは抱っこしてもらった事あるか?」
そう言われた瞬は、克季の顔をジーッと見た後、
「ある」
「そうか。それは良かったな」
何とも言えない会話をしていると、
「れい。おりる」
「遊ぶのか?」
「あしょばない」
床に降りた瞬は、そのまま唯斗に向かって行った。
「ゆいと」
「はい」
唯斗が顔を上げると、瞬はニコッと笑う。
微笑んだ後、瞬は唯斗の傍を離れなかった。
「瞬。何してるの?」
「ゆいと、いっしょ、いる」
恐らく瞬には、一人ぽつんと仕事をしている唯斗の姿が寂しそうに見えたのだろう。
床に座って寄り添っていた。
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