混乱④

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懸命にあやしたのだが、瞬は泣き止む気配を見せない。 それどころか、顔を真っ赤にして泣いていた。 「ごめんごめん。拓巳が悪かった。だから泣かないで」 自分をコントロール出来ない瞬は、声を出して泣き続ける。 「瞬、お外に行こうか」 「……いや…いかない」 「行かないの?」 「…いっ……いやぁー」 行かないと言われてしまえばそれまでなので、俺は瞬を抱っこして事務所の中を歩き回った。 「よしよし」 歩き回りながら瞬をあやして、 「瞬。暑いだろう。いっぱい汗かいてる」 瞬の首筋を触ると、汗で後ろの髪が濡れている。 泣いている事もあって瞬の体温が上がり、抱っこしている俺までもが汗をかいていた。 汗を拭きながら、瞬が落ち着くのを待つ。 その内に、親指をくわえて俺の胸に頭を預けてきた。 「落ち着いたか?」 瞬の顔を覗き込むと、ボーっと一点を見つめる。 「瞬、お着替えしよう。汗でびっしょりだ」 そう言っても、瞬からの返事はない。 ソファーに座らせたらまた泣き出すと思った俺は、瞬を抱っこしたまま着替えをする事にした。 着替えをしている間、瞬は泣きそうな表情をしていた。
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