003【海・手・線】

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   線の上で踊る黒白の玉を、規則的に配列されたこれまた黒白の板を弾いて具現化する。両の手は左右に上下に忙しく時に穏やかに滑り、感情を乗せたその調べは聴く者に荒々しくも優しい海を彷彿とさせた。  最後の音を弾き、その余韻が消え去ると同時に、割れんばかりの拍手がその場を埋め尽くした。  
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