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「アリス」
「え?」
アリス、だって?勿論オレの名前じゃない。なのに振り返ってしまったのはなぜだろう。振り返って、ぎょっとした。オレの視界に写ったのは小さな少女は真っ赤だった。いや違う、赤く見えたのは黄昏の赤に少女が髪染まっているせいで、少女自身は赤くも何ともなかった。けどオレの錯覚の原因が全く少女にないともいえない。少女の白い髪と同じく白いワンピースのような服装はとてもよく黄昏を写していた。
「みつけたアリス行こう」
だから、何だよアリスって、オレのこと?オレ以外居ないよな、ここ。少なくとも立っているのは。
下を見るとオレの足元で屍、まではいかずともそれに近い状態の奴5、6人。芋虫のように這って無駄な足掻きをしてる奴はもう一度蹴ると大人しくなった。こいつらのどれかのことか?でもそんなファンシーな名前だったのかこいつら。アリスってガラかよ。
ぐいっ
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