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ぐいっ
「!?」
いつの間に近寄ったのか少女に袖を掴まれていた。近くで見るとこの少女、尚小さい。オレの頭一つ分は小さい。140㎝ぐらいか。
「アリス」
「…アリスってオレのこと?」
「?…違う?」
疑問形で応えられても困る。勿論違う、のに「違う」と言い切ることに一瞬躊躇ってしまったのは、自分でも説明しきれないけれど、アリスという名称が自分に与えられることに確信のような、不可思議な感覚を感じてしまったせいだと思う。それはあえて言葉に表すなら、予感、というのがきっと相応しい。
だってあの時、オレは振り返ってしまったんだ。
…なに、考えているんだオレは。
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