たそかれ

3/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
ぐいっ 「!?」 いつの間に近寄ったのか少女に袖を掴まれていた。近くで見るとこの少女、尚小さい。オレの頭一つ分は小さい。140㎝ぐらいか。 「アリス」 「…アリスってオレのこと?」 「?…違う?」 疑問形で応えられても困る。勿論違う、のに「違う」と言い切ることに一瞬躊躇ってしまったのは、自分でも説明しきれないけれど、アリスという名称が自分に与えられることに確信のような、不可思議な感覚を感じてしまったせいだと思う。それはあえて言葉に表すなら、予感、というのがきっと相応しい。 だってあの時、オレは振り返ってしまったんだ。 …なに、考えているんだオレは。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!