依存する国のアリス

たそかれ

こんな問い直ぐに否定してしまえばいいことじゃないか。

「オ、オレはアリスじゃ「そっかまだ候補だっけ」

慌てて否定しようとしたオレの言葉を遮って少女は自己完結してしまった。

「アリス候補、行こう」

「…それも違う気がするけど」

「早く」

「あ、」

またぐいぐいとオレを引っ張ろうとした少女はオレが半殺しにした黄色い頭の男を踏みつけたのを見て思わず目を見張った。それに少女に悪びれた様子はなく、黄色い頭に同情するわけではないが気にもとめていない様子だったのには驚いた。