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「おい、逃げるなよ?」
逃げるに決まってるだろ。
早く助けを呼ばないと。
「おい、これなぁ~んだ。」
振り向くと男が手にしていたのは
携帯だった。
僕からさっき取り上げた
携帯だった。
そんなこと忘れていた。
僕の表情から
明らかに愕然としたのが見て
とれたのだろう。
「頼んだぞ、番犬。」
そう言い捨てると
楽しんでいる男たちの中に
次は俺だ、
と割って入っていった。
自分の情けなさに呆れた。
僕は何をやってるんだろう。
携帯を盗られて
見張りをやらされて
女の子を助ける所が
一緒に捕らわれの身になって。
どうしてこんなことに
誰か誰か誰か助けてくれ
誰でもいいから誰か。
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