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近付いてきた足音は
コイツのだったのか。
あの女の子は
助からなかったんだなと
落ち込んだ。
あとに続いて
残りの二人が奥から出てきた。
「ほら、返してやるよ。」
男が僕の携帯を見せた。
僕は黙って手を出す。
手のひらに懐かしい重みを感じた
やっと解放される。
安堵を覚えた瞬間に男は笑って
言った。
「また頼むな。番犬。」
何……………?
「携帯に呼び出しかけるから。
何だよ。その顔。
これで終わりだと思ったのか?」
三人の笑い声が僕を包む。
ぐるぐると
ワケの分からない何かを
取り込んだような気持ちの悪さを
何とか取り出したかった。
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