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何度も話そうとするのに、
その度に料理が運ばれてきたり、
何より
僕の気持ちの整理がつくのに
時間がかかって
とうとう言えなかった。
今日こそは、と思っていたのに。
「オイシかったね。」
と向けるその笑顔を見る度に
また今度でいいか、
と自分を甘やかしてしまう。
この笑顔が
曇るかもしれないと思うと
なかなか
言う気にはなれなかった。
「あ、公園!懐かしいね。」
美月が公園の中に入っていく。
少しすると美月は手招きした。
「見て、可愛いベンチ。」
美月の傍に行くとウサギやトラ、
キリンやゾウなどの形をした
ベンチが並んでいた。
「ちょっと座っていかない?」
美月に言われるがまま
隣に座る。
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