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男たちはゲラゲラと下品に笑い
「おい
早くしろよ。次は俺の番だぜ。」
などと ほざいていた。
女の子は泣いて
顔をグシャグシャにしながら
助けを求めていた。
けれど彼らは
誰も通りそうもない場所を
周到に選んでいるため、
声は誰にも聞こえない。
僕は助けを呼ぼうと立ち上がり、
携帯を取り出した。
早く助けないと
あの女の子が…………。
「何してんだよ。」
後ろから聞こえた声に
身も凍るような思いだった。
時間が止まった気がした。
振り返ることも出来ずに
じっとしていると
その男は僕の正面に回り込み
握りしめていた携帯を取って
「この携帯で
どこに電話するつもりだった?」
そう言って
僕の顔を覗き込んできた。
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