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「…………別にどこにも」
突然胸ぐらを掴まれた。
僕は思わず
悲鳴を上げてしまいそうになる。
「余計なことしてんじゃねぇぞ」
さっきとは
顔つきも声色も変わっていた。
僕は
そのまま奥の薄暗い建物の中へ
連れて行かれた。
女の子の悲痛な叫び声と
男たちの下品な笑い声が
だんだんと大きくなってくる。
「なんだ?そいつ。」
「番犬に
なってくれるんだってさ」
「番犬?そりゃいいや!」
もう一人の男の声が聞こえた。
もう近くにいることを悟る。
「おい、何 目逸らしてんだよ。
もうお前も仲間だろ?」
仲間
こんな奴らと一緒にされたくない
けれどこの檻の中で
逃げ出す勇気が僕にはなかった。
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