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僕は声がする方を横目で見た。
一人は女の子の上に跨り、
一人は後ろから胸を弄っていた。
地獄のような光景だった。
目を瞑ると後ろにいる男が
僕の首の後ろを引っ張って
その現場へと歩いていく。
抵抗しても
力の差は明らかだった。
僕はすぐ傍にほり投げられる。
離れようとする僕を後ろから
押さえつけて髪を引っ張って
顔を押さえる。
「よく見ろよ。
なんならお前も一緒にやるか?」
次から次へと涙がこぼれてきた。
なんで僕がこんな目に?
僕は
ただ助けようとしただけなのに。
視線を外そうとした瞬間に
女の子と目が合ってしまった。
時が止まったようだった。
目を逸らしたかった。
彼女の不幸を
一緒に感じたくなかった。
だから目を合わすことを
一番恐れていた。
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