ロミオminusジュリエット

7/43
前へ
/290ページ
次へ
僕は声がする方を横目で見た。 一人は女の子の上に跨り、 一人は後ろから胸を弄っていた。 地獄のような光景だった。 目を瞑ると後ろにいる男が 僕の首の後ろを引っ張って その現場へと歩いていく。 抵抗しても 力の差は明らかだった。 僕はすぐ傍にほり投げられる。 離れようとする僕を後ろから 押さえつけて髪を引っ張って 顔を押さえる。 「よく見ろよ。 なんならお前も一緒にやるか?」 次から次へと涙がこぼれてきた。 なんで僕がこんな目に? 僕は ただ助けようとしただけなのに。 視線を外そうとした瞬間に 女の子と目が合ってしまった。 時が止まったようだった。 目を逸らしたかった。 彼女の不幸を 一緒に感じたくなかった。 だから目を合わすことを 一番恐れていた。
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

868人が本棚に入れています
本棚に追加