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「つり目で目付き悪くてー、赤髪でー、身長高くてー、馬鹿な方でー、少し上から目線なヤンチャっ子」
んな奴いねぇだろ。なんて内心思いながらも、固まった滉の手の中から弁当を救出。箸に口をつけようとしたらなんだか腕がへんな方向へ曲がった。
「うーで」
右手を掴んでなんか冷や汗ダラダラな滉が気持ち悪い。それでも運動部と帰宅部なんて力の差が歴然過ぎて振り払う気も起きないけど。
「よ、陽一・・・・・お前もしかして・・・・
近衛 龍次(このえ りゅうじ)が好きなのか?」
・・・・・・・。
このえ、 りゅうじ?
男?♂?Y?
「なんだそれっ!!」
頭の収集着かなくて立ち上がった。凄い音を立てて倒れた椅子に視線が集まる。(ここ教室じゃん、俺恥ずかし・・・・・・・・って)
そんな場合じゃ無いだろ自分!
俺、藤森陽一は小学校からゲイに目覚めてから全くと言って良いほど女に興味が無い。
しかしソレをカミングアウトした覚えも無ければ、今の会話にもそんな内容を交えた覚えも無い。
「なんでそうなるんだよっ!つか、近衛龍次って誰だっつの!!?」
さっきより幾分か小声。滉のワイシャツの袖を掴んで問い詰める。
「だってよ、つり目で目付き悪くて赤髪で身長高くて頭あんま良くなくて、上から目線でヤンチャって言ったら・・・・・・・俺達と同クラスの近衛龍次しかいないだろ!!」
(だれだよっ!!?)
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