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「なぁ、陽一のタイプってどんなんなの?」
「んぁ?」
昼食時。
あぁ、今日の卵焼きは焦げ目が最高だ。なんて馬鹿な事を考えていたら滉(こう)に話しかけられた。
てか、寧ろなんでイキナリそんな話題なのさ。
「イキナリなんだよ」
「陽一ってさ。小学校からずっと女子の話しってしなかったじゃん」
うん。
半分に切った卵を口に運ぶ。
「小学生ならまだ許せるけど、高校にまでなってそれってどうよ?」
身を乗り出すな、口元の米粒をとれ。
ったく、本当にコレが小学校からの幼馴染みだと思うと涙も出てこない。
茶色の短い髪。
つり目の、泣き黒子が特徴的な目元。
バスケで鍛えられた腹筋と、その身長。
見た目だけなら爽やかスポーツ青年・・・・・・までは行かなくともイケメンなのにな。
「聞いてんのかよっ!」
「ホィホイ、聞いてるよ」
お前の見た目分析しながら。
ほうれん草のお浸しと、ウインナー。お母様は今日も上々のようで。
軽く滉をながしながら弁当に舌鼓打つ。
「だーかーらー、タイプは?タイプ」
ズズッと箸先から無くなった弁当と、それを持って居るだろう馬鹿。
(てかさ、言えるわけ無くね?)
ため息を吐いて箸を置けば、キラキラした視線が鬱陶しい。
「タイプねー・・・・・・・」
適当に並べてくか。
机の上の右腕に顎を乗せる。
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