プロローグ

12/16
前へ
/39ページ
次へ
………自分はただの馬鹿じゃないかと、本日8回目のため息が出そうなくらい何も考えずに行動したことを今更ながら反省をする。 服装だって、場違いであるほど泥棒とは程遠い。大阪のおばちゃんから「何しにきたん、あんた」と追い返されそうだ。 成り行きとは恐ろしいものである… ――だけど。 こんなことで行の泥棒への精神はへたらなかった。 むしろ、だ。 せっかくこんな良い家があるんだ。人が来ないこんなチャンスは明日とないだろう。と逆に行の泥棒への意志に火をつけたのである。 入り方が分からないからなんだ。 服装が場違いだからてなんだ。 開き直りは、小学生の時からはピカイチであった行は止めた足を反抗するみたく再び動かした。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加