プロローグ

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今時は名門大学やらの卒業や、顔の良さ、コネなどで仕事が成り立ってる世の中だ。 別に行は顔が悪いわけではなかったが、意味不明な理由で辞めさされれば同じこと。 総まとめして整理すれば、結局は上の者に好かれたり、その会社にプラスアップされたら良いことなのだ。 ……馬鹿馬鹿しい。 行はふんっと鼻で笑う。飲み終えて空になる缶を真横に設置してあるゴミ箱に入れると、この場を後にした。 次はどこで暇を潰そうか。と、場所を変えながら進むだけだった。 アパート暮らしな行は家に帰っても、冷蔵庫にはなにもないし、買い置きの缶珈琲はこれで最後。更に水道やら電気は使えない。今の行にとっては、『家』はマイナスイメージなものでしかない存在でいた。 仕事を探すとなっても、そう簡単には見つからないし近くのハローワークでの仕事の募集は全て全滅に終わってしまった為に、探しようにも苦しい状況なのだ。
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