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歩く都度に、レンガ式の家やら日本風な家やらがスライドショーみたく流れながら目に入る。
…けど、どれもパッとしなく、行の犯罪心には響かなかった。
って言うか、その方がいいのか。
このまま、気にいる家がなく、行の善人精神が灯せば良かったのに…
最悪な現実は訪れた。
「……お、この家いいじゃん」
――行の視線の先には、今にも金がありそうな洒落た家が存在してたのだ。
大きく、洋風仕立てで、それでいてセキュリティが万全そうではない、泥棒が入りたがりそうな家。
もちろん、行が放っておく分けがなく、衝動を抑える事もしないまま、その家に近づいた。
「凄い金のありそうな家なんですけど」
興奮する行は、周りに聞こえない程度の声でクスクスと笑う。
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