夜食

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>自分の指から流れる血を横目に見ながら、村上は杉浦から目を離す事ができなかった。  > > > > >杉浦が歯をたてて指を噛んだのに、痛みも感じなかった。 > > > >ぞくぞくと、震えだけが続く。 > > > > >杉浦の舌が指を這う感触も、自分の血管の音までも感じるようだった。 > > >体が熱くなり、息苦しい。  > >まるで走った後のようだと、杉浦から目を離さないまま、村上は考えていた。 > > > > > > >杉浦が村上の手を離すまで、村上はただぼんやり杉浦を見ていた。
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