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>「で?実際どうしたんだ?どんなに働こうが倒れた事すらないお前がこんなになるなんて。」
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>「…………俺が聞きたい。」
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>村上はため息をついた。
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>しかし、ぼんやりしていたものの、記憶は比較的はっきりしている。
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>考えられるのは、杉浦しかない。
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>「その傷じゃないよな?」
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>松岡が村上の手首を持ち上げた。
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>もう出血はしていないが、血の流れた跡と歯形のような穴が2つ、くっきり残っている。
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>めざといヤツだと、村上は松岡を睨んだ。
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>「なんで俺が睨まれなきゃいけないんだよ。血がダラダラ流れてたら、嫌でも気付くって。」
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>「……見たのはお前だけか」
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>「速水も見てるんじゃないか?これ、アイツのハンカチだろ。」
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>ソファーの下に、血のついた男物のハンカチが落ちていた。
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>松岡がそれを拾う。
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>「これのおかげで、他の人間は見てないだろうな。」
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>「…そうか。」
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>「まぁ、こんな小さな傷が原因でお前が倒れたとは、誰も思わないけど?」
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>「……倒れたんだよ。」
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>村上は本日何回目かもわからないため息をついた。
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