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>「ふーん、噛まれたみたいな跡だな。」
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>「手を離さんか」
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>じっくり手を見る松岡に、村上は言った。
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>本当は振りほどきたかったが、まだ力がはいらない。
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>痺れたような感覚が抜けないのだ。
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>「杉浦に噛まれでもした?」
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>「そんなわけないだろ。」
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>村上は否定した。
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>松岡を信頼していないわけではない。
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>しかし、杉浦の明らかに不審な行動を他言するのは抵抗があった。
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>「あっそ。」
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>松岡もそれ以上は聞かなかった。
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>長年の付き合いで、お互いの性格はわかっている。
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>これ以上聞いても村上は話さないし、話す時がきたら話すだろうと松岡にはわかっている。
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>松岡が村上の手を離した時、ノックと共に速水が入ってきた。
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